大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)2968 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人堀井久雄の上告趣意について。

所論は量刑不当の主張に帰するものであるから刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。

被告人Bの弁護人大塚重親の上告趣意について。

所論は、原判決が被告人Bの本件行為を正当防衛とはならないとしたことは事実

誤認であるとしこれを理由として判例違反を主張する。しかし記録によつて判示証

拠を検討してみると、原判決の判断は相当であつて所論引用の判例のいずれにも反

するところはないから所論は採用できない。(すなわち原判決の認定した事実によ

れば、同被告人はかねて実兄である相被告人Aと仲悪く殊に同人と喧嘩して負傷さ

せたこともあつたところから、Aが遺恨をはらそうとしてC及びDを相携え被告人

方に赴き呼出をかけたところ、これに応じ喧嘩になることを予測し、小刀一挺を用

意して右三名と共にa川堤防上に到り同所において両者相対峙し争闘が展開され、

被告人はA等三名から手拳で頭部顔面等を殴打されたので、憤激の極、所携の小刀

を以て同人等の顔面その他を突き刺しまたは斬りつけて反撃し、その結果右Cを前

胸部刺創により即死させ、D及び実兄Aに対し第一審判決に判示のとおりの各傷害

を負わせたというのであるから、被告人の行為はその全般からみて法律秩序に反す

るものというべきであつて、原判決がこれを正当防衛とならないとしたのは相当で

あり、所論引用の各判例の趣旨に違反するところはない)

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

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昭和三〇年一二月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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